子供の日に読みたい本
2022 / 05 / 05 ( Thu ) ![]() 修道院とは、相手を理解したいと思う人にほんの少しずつ開いていく扉のようで、 手作りには人の温かさが宿る。 「修道士はビールを作り、女はレースを編む」(向田邦子) 『駅の子の闘い』から抜粋したいことが三つ。 映画『火垂るの墓』が放送されると、 SNSでは、「自らの判断で親戚の家を飛び出したのだから、路上生活で苦しんでも自業自得だ」という声が大きくなっていた。 しかし、孤児となった小倉さんから、親戚にされた冷たい仕打ちと虐待、そのときの気持ちを聞いた後では、私の中で「自己責任論」のような考えは持てなくなっていた。 あるキリスト教系の保護施設に入った孤児が受けた屈辱的な仕打ち 「クリスマス会ということでいい服を着せてもらい喜んでいたのもつかの間、会がおわり、地域の人たちが帰ると、すぐに服を脱がされ、元のぼろぼろの服に着替えさせられた」 1496年:GHQの公文書、戦争の影響で浮浪児となった子供たちが依然として各地で悲惨な状況にあることに対し 「日本の官僚の歴史的な無感覚と無関心さがこの種の活動において、人員、食料、設備の不足よりもさらに障害になっている」 共通して言えるのは、人がもつ内面の冷たさ。 その人たちがよく口にするのは「世間」や「社会」。 (同じ人間かと疑うほどに冷たい) だけど、子どもたちが求めるのは人の『ぬくもり』。 "いまでも苦しんでいる子どもたちが、たくさんいる。 そんな子どもたちに、声でもいいからかけてあげてほしい。" 本書からのメッセージ。
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